薬機法(旧薬事法)

【2023年最新】粧工会「化粧品等の適正広告ガイドライン」における化粧品の広告表現を徹底解説

日本化粧品工業会(通称:粧工会)では、消費者に対し、適正な広告を行うため、「化粧品等の適正広告ガイドライン」を公表しています。薬機法の違反行為に該当する「化粧品等の広告」に対し、薬機法を遵守するためにも、本記事では、化粧品等の適正広告ガイドラインについて、化粧品を取り巻く広告規制について解説させていただきます。

【2023年最新】粧工会「化粧品等の適正広告ガイドライン」における化粧品の広告表現を徹底解説

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はじめに

皆さんは、薬機法において、化粧品の広告やパッケージの成分表示に表記可能な表現薬機法に接触する可能性のある表現があることをご存知ですか?

日本化粧品工業会(通称:粧工会)では、消費者に対し、適正な広告を行うため、「化粧品等の適正広告ガイドライン」を公表しています。

薬機法の違反行為に該当する「化粧品等の広告」に対し、法律を遵守するためにも、規制や遵守されるべき事項をより明記しているこのガイドラインを学ぶことが重要です。

特に、薬機法の違反行為の一つである広告規制では、広告に携わる、代理店・制作会社・ライター・インフルエンサーまで法律の対象になります。

違反した場合、懲役刑罰金などの厳しい罰則が適用されてしまうため、薬機法を正しく理解し、薬機法を遵守することが大切です。

本記事では、化粧品等の適正広告ガイドラインについて、皆さまの疑問を解決するため、化粧品を取り巻く広告規制について解説させていただきます。

XP法律事務所では、化粧品分野をはじめとする薬機法に関するリーガルチェックや法律に則った訴求表現アドバイスをはじめ、”新しい時代の法律事務所を創造する”という使命を掲げ、ビジネス全般に渡り、クライアント単位でトータルソリューションを提供しています。

化粧品広告に関する助言や審査、薬機法についてご不明点がある場合には、XP法律事務所までお気軽にご相談ください。

化粧品を製造・流通する上で必要不可欠な「全成分表示義務」について

こちらの章では、化粧品の「全成分表示義務」についてご紹介します。

皆さんは、日本で化粧品を製造・流通する際には、すべての化粧品に対し、全成分を表示する義務が課せられていることをご存知でしょうか?

薬機法では、文字通り、化粧品等に含まれる全成分に関して、化粧品が入っている直接の容器または被包に加え、外箱に記載しなければならないと義務付けられているのです。【薬機法:第61条】

具体的な記載内容は、該当の化粧品等に含まれる全成分に加え、製造販売業者製品の名称製品番号となります。

ただし、次に記載する項目に該当する場合であれば、化粧品が入っている直接の容器または被包への記載を省略できる可能性があります。

  1. 2ml以下のアンプルまたは左記と同等の大きさの直接の容器に入った化粧品。
  2. 2mlを超え10ml以下のアンプルまたは左記と同等の大きさのガラス類の材質からなる直接の容器で記載事項がその容器に直接印刷されているもの

上記に該当している場合、該当製品の《外箱・タグ・ディスプレーカード》などに表示することも可能です。【薬機法:第221条の2、第221条の3、第211条第1項・2項】

重ねて、外国から化粧品等を輸入した際には、日本の表示義務に沿った日本語表記が必須となります。

厚生労働省医薬局では、「化粧品の全成分表示の表示方法等について」という、化粧品の全成分表示義務における6つの規定を公表しています。

具体的な内容は、次の表をご覧ください。

項目具体的な内容
1. 「化粧品の成分表示名称リスト」を利用し、消費者の混乱を防ぐ化粧品の製造業者によって設立された「日本化粧品工業連合会(JCIC)」による、「化粧品の成分表示名称リスト」を活用し、消費者の安全を確保するため努める必要がある。
2.  化粧品の配合成分は分量の多い順に記載する化粧品の成分を表示する際には、使用分量の多いものから順に記載する。
ただし、使用割合が1%以下の成分や着色料に関しては、順不同で記載可能。
3. キャリーオーバー成分は「全成分表示義務」の例外「キャリーオーバー成分」とは、本来の成分に混ざり込んだ微細な成分(効果を発揮するほどの分量が含まれていない成分)のこと。
ただし、「全成分表示義務」の例外となっており、名称を記載する必要はありません。
4. プレミックスは混合成分ごとに記載する「プレミックス」とは、複数の成分からなる混合原料のこと。
該当の化粧品に使用している場合、混合されている成分ごとに記載する必要がある。
5. 抽出物と溶媒を分けて記載する溶媒を使って抽出または希釈している「抽出物」を原料に使用する場合、「抽出された物質」「溶媒」を記載することを徹底する。
6. 香料の成分は「香料」の記載可能香り付けの効果だけを目的とした「香料」を使用する場合、「香料」とのみ記載可能。

 「化粧品の全成分表示の表示方法等について」より

違法な化粧品広告の具体例

日本化粧品工業連合会(通称:粧工会)による化粧品等の適正広告ガイドラインの第3章「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」で公表される、薬機法違反に該当する化粧品広告について、代表的な例をご紹介します。

化粧品等の適正広告ガイドラインとは、適正な広告を行うという目的のため、医薬品医療機器等法医薬品等適正広告基準に基づき、化粧品等の製品特性を考慮した上で、対象となる製品に対する規制及び遵守されるべき事項がより明確になるよう作成されました。

表現ガイドラインは、次の24項目を設けています。

  1. 「肌の疲れ」等の表現
  2. 「アレルギーテスト済み」等の表現
  3. 「肌・毛髪への浸透」等の作用部位の表現
  4. 「〇〇専用、〇〇用」等の表現
  5. 「強力」、「強い」の表現
  6. しわ予防・解消等の表現
  7. 「乾燥による小ジワを目立たなくする。」の表現
  8. 「治癒、回復、改善」等の表現
  9. 「細胞」等の表現
  10. 「痩身」、「顔痩せ効果」等の表現
  11. 「デトックス」等の表現
  12. 「ピーリング」等の表現
  13. 「くすみ」等の表現
  14. 医師等のスタイルでの広告について
  15. 「美白」等の表現
  16. 化粧品における「薬用」の表現
  17. 毛髪の損傷等の補修表現
  18. 「エイジングケア」の表現
  19. テレビ、新聞、雑誌、WEB広告における説明文
  20. 「使用体験談」の表現の範囲
  21. メーキャップ効果等に関する記載
  22. 「調査結果に基づく数値」の表現
  23. 「実感」の文字を含む表現
  24. 化粧品における配合成分の特記表示

それでは、各項目ごとの詳細について、わかりやすく解説していきます。

1. 「肌の疲れ」等の表現

化粧品等の適正広告ガイドライン 第3章「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される1つ目の項目は、「肌の疲れ」等の表現です。

季節の変わり目に用いられることの多いこちらの表現ですが、化粧品の効果・効能を逸脱したような表現(疲労回復的な表現など)であるため、禁止されてます。

「肌の疲れ」等の表現で禁止されている、具体的な表現は次の通りです。

禁止された表現の一例

「肌の疲れを癒す」 「皮膚の疲れ」「顔に出る疲れ」 「目のまわりの疲れをやわらげる」「肌の疲れをとる」

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

2.「アレルギーテスト済み」等の表現

「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される2つ目の項目は、「アレルギーテスト済み」等の表現です。

繰り返しとなりますが、日本で製造・流通する化粧品には、「全成分表示義務」が課せられています。

特に、アレルギーをお持ちの方であれば、直接肌に触れる化粧品を購入する際のポイントとして、成分表示に着目する方も少なくないでしょう。

「アレルギーテスト済み」等の表現を用いる際には、次の条件をすべて満たすよう義務付けられていることを留意しましょう。

  • キャッチフレーズではない
  • デメリット表示が記載されている 
  • デメリット表示は「アレルギーテスト済み」等の近傍に記載されている
  • デメリット表示は「アレルギーテスト済み」等の文字と同等程度の大きさかつ目立 つように記載されている

なお、デメリット表示とは、次のような文言を指します。

「全ての方にアレルギーが起こらないということではありません」 「全ての方にコメド(ニキビのもと)が発生しないということではありません」 「全ての方に皮膚刺激が発生しないということではありません」

重ねて、「アレルギーテスト済み」と近しい表現である「ノンコメドジェニックテスト済み」「皮膚刺激性テスト済み」などの表示も同等の扱いです。

ただし、「ノンコメドジェニック(通称:ノンコメド)」などの語句のみを広告・表示に使用することは、消費者が効果・効能を誤解する可能性があるため、禁止されています。

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

3. 「肌・毛髪への浸透」等の作用部位の表現 


「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される3つ目の項目は、「肌・毛髪への浸透」等の作用部位の表現です。

「浸透」という言葉は、化粧品の効果・効能が確実であるかのような表現であると消費者に誤認させる可能性があるため、慎重になる必要があります。

従って、化粧品の効果・効能が確実であるかのような表現に加え、効果・効能の範囲を逸脱した表示を禁止しているのです。

ただし、次の条件にすべて該当している場合は、表記が可能となります。

  • 作用部位が角質層であることを明記している
  • 広告全体の印象から効果・効能の保証や効果・効能の範囲の逸脱していない

肌・毛髪への浸透について、各項目ごとに表現可能な例と表現不可な例を解説します。

表現の項目表現可能な例表現不可な例
A「肌への浸透」等の表現■「角質層」の範囲内の表現:
「角質層へ浸透」
「角質層のすみずみへ」 
角質層の範囲内であることが明記されていない表現
「肌へ浸透」

角質層の範囲を越えて浸透する印象を与える表現
「肌内部のいくつもの層 *角質層」
「肌*の奥深く *角質層」
※注釈で角質層との記載がある場合でもNG

医薬品的な表現:
「肌の内側(角質層)から」
B「毛髪への浸透」等の表現■ 角化した毛髪部分の範囲内の表現:
「髪の内部へ浸透」
「髪の芯まで浸透」
回復的な表現:「傷んだ髪へ浸透して健康な髪へ甦ります」

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

4. 「〇〇専用、〇〇用」等の表現

「〇〇専用、〇〇用」等の表現を使用することは、「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」において、禁止されている4つ目の項目です。

次にご紹介する事例を除き、医薬品的な効果・効能と見なされてしまうなど、薬機法に抵触する可能性があるため、ご注意ください。

  • 承認を受けた名称
  • 化粧品の種類または使用目的により配合の制限がある場合

ただし、化粧品等の使用感や使用方法などから判断し、特定の年齢層・性別などが対象である「◯◯用」「◯◯向け」などの訴求表現は可能です。

具体的な訴求表現については、弁護士などの法律の専門家に相談することをおすすめします。

表現可能な例表現不可な例
特定の用法用量
「敏感肌用」
特定の年齢層や性別
「子供用」
「女性向け」
認められた効能の範囲を超えた特定の効能を明示または暗示する表現
「女性特有の抜け毛に効果的な育毛剤」
「抜け毛専用」
「ニキビ専用」

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

5. 「強力」、「強い」の表現

「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される5つ目の項目は、化粧品で効果・効能を強調し、表現する際に用いられる「強力」「強い」の表現です。

XP法律事務所では、薬機法に基づく訴求表現のアドバイスを行っております。

化粧品などを製造販売している企業様や販売を検討している方は、ビジネス全般に渡り、クライアント単位でトータルソリューションを提供するサービスをご用意していますので、ぜひお問い合わせください。

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

6. しわ予防・解消等の表現

しわ予防・解消等の表現は、「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」において、禁止されている6つ目の項目です。

これらの表現は、化粧品の効果・効能の範囲を逸脱するため、次のような理由で、規制されています。

化粧品は、皮ふ深部(細胞レベル)での生理代謝機能に影響を与え、加齢による影響を防ぐものではないため、「シワを予防する」「タルミを解消する」などの表記はできません。

重ねて、しわ予防・解消等の表現における、メーキャップ効果の物理的効果にも規制が設けられていることをご存知でしょうか?

シワなどの外観的変化を記載する場合、それが事実かつメーキャップ効果の物理的効果であることが明確に表現されている場合、表記可能です。

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

7. 「乾燥による小ジワを目立たなくする。」の表現

「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される7つ目の項目は、「乾燥による小ジワを目立たなくする。」の表現になります。

冬場になるとよく見られる表現ですが、注意が必要な表現の一つです。

加齢によるシワなどを含め、全てのシワに効果があるものと誤認される表現は禁止されているので、ご注意ください。

ただし、メーキャップ効果における「シワを目立たなくみせる」との表現については、下記の表現を除き、認められています。

  • 確実であるような保証をする表現
  • 事実に反する表現 

表現可能な例表現不可な例
うるおいにより乾燥による小ジワを目立たなくする表現
「皮膚の乾燥を防いで小ジワを目立たなくする」
「うるおい効果が小ジワを目立たなくする」
「キメを整えて乾燥による小ジワを目立たなくする」
小ジワを解消する表現
「〇〇が小ジワの悩みを解消する」

小ジワを予防する表現
「小ジワを防いで美しい素肌を育てる」 

素肌の若返り効果・老化防止効果
「乾燥による小ジワを防いで、お肌の老化防止を行う」

「小ジワを目立たなくする」のみの表現
「小ジワ*を目立たなくする」(注釈:乾燥によるもの) 
※「小ジワ」の文言のみを強調するなど、認められる表現の範囲を逸脱することは禁止されている

ただし、下記のケースでは、標榜可能です。

  • 日本香粧品学会による「化粧品機能評価法ガイドライン」の「新規効能取得のため の抗シワ製品評価ガイドライン」に基づく試験を行い、効果が確認された製品
  • 上記と同等以上の適切な試験を行位、効果が確認された製品

重ねて、日本化粧品工業連合会の自主基準において、「乾燥による小ジワを目立たなくする。」または言い換えた表現を行う場合、次の条件を設けています。

  • 「乾燥による小ジワを目立たなくする。」などの効能に、「※」といった印をつけ、「※効能評価試験済み」と表記すること。
  • 「※効能評価試験済み」の表記は、色調を変えるなどの強調をせず、大きな活字で記載すること。」

「効能評価試験済み」の表記について 

「乾燥による小ジワを目立たなくする。」表現に対して「効能評価試験済み」を表記する場 合は、次の条件が設けられています。

「乾燥による小ジワを目立たなくする。」の表現の説明であることがわかるよう近くに記載することに加え、他の効能に関する試験であるかのような誤認を与えないよう配慮すること。 
保証的になるため、【キャッチフレーズ・大きな活字・ 色調を変える】などの強調表現は行わないこと。
 保証的な表現や効果・効能を逸脱した表現となるため、前後に文言を付加しないよう留意すること。

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

8. 「治癒、回復、改善」等の表現

「治療、回復、改善」等の表現を使用することは、「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」において、禁止されている8つ目の項目です。

上記の類似表現である、次の言葉を使用することは、医薬品に対して用いられる言葉であるため、禁止されています。

「快方」「治る」「治療」「発毛」「再生」など

「知らず知らずのうちに薬機法に違反していた」などのトラブルを防ぐためにも、弁護士をはじめとする専門家にアドバイスを仰ぐ、というのも一つの選択肢ではないでしょうか。

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

9. 「細胞」等の表現

「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される9つ目の項目は、「細胞」等の表現です。

最近の美容業界で「幹細胞コスメ」などと、謳っている商品を目にする方も少なくないのではないでしょうか。

細胞レベルなどの表現(角質層を除く表皮・基底層・真皮・皮下組織・遺伝子を含む)は、化粧品の定義や効果・効能の範囲を逸脱するため禁止されています。

類似表現である「セル」なども同等の扱いです。

ただし、配合成分の名称や由来の説明として「細胞」などと表現する場合、客観的かつ科学的に認められている事実の範囲内であれば、使用できます。

なお、上記のような表現を使用する場合には、特別な効果・効能があるかのような誤解を与えないよう注意しましょう。

また、配合成分の名称は、日本化粧品工業会による成分表示名称リストに収載されている名称であることが条件ですので、ご留意ください。

表現可能な例表現不可な例
客観的かつ科学 的に認められている事実の範囲内の表現:
「トマト葉細胞培養エキス 」
「コンフリー根細胞エキス」
細胞レベルなどの表現(角質層を除く表皮・基底層・真皮・皮下組織・遺伝子を含む):
「幹細胞コスメ」
「〇〇細胞に着目した化粧品」 
「細胞由来の力」

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

10. 「痩身」、「顔痩せ効果」等の表現

「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される10つ目の項目は、「痩身」、「顔痩せ効果」等の表現です。

健康を気遣う方にとって、「痩身」「顔痩せ効果」と記載されていることにより、商品を手に取る確率が高くなる傾向のあるフレーズですが、これらの表現を使用する場合は、慎重になることが重要ではないでしょうか。

上記の表現は、医薬品に対して使う言葉であることに加え、化粧品の定義の範囲を逸脱するため、禁止されています。

類似の表現の「スリミング」「ファーミング」「セルライト」に関しても、化粧品の定義の範囲を逸脱し、身体の構造機能に影響を与えられると誤認してしまうため、ご注意ください。

ただし、 化粧品においても、化粧によるメーキャップ効果など、物理的効果の外観的変化を表現する際には、 事実かつメーキャップ効果の物理的効果であることが明確に記されている場合、表記できます。

表現可能な例表現不可な例
メーキャップ効果の物理的効果などの外観的変化に対する表現:
「小顔にみえるメーキャップ効果」
化粧品の定義の範囲を逸脱する表現
「ぐっと引き締めて」
「小顔効果」
「脚がほっそり」
「スリミング」
「ファーミング」「
セルライト」

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

11. 「デトックス」等の表現

「デトックス」等の表現は、「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」において、禁止されている11つ目の項目です。

デトックス、つまり「解毒」効果は化粧品には備わっておらず、医薬品に対してのみ、用いる言葉であります。

類似表現として、「毒素や老廃物を排出」「便意解消」「体内を浄化」などの表現も同等の扱いです。

化粧品等をはじめとする広告において、このような表現を行うことは薬機法違反にあたるため、注意しましょう。

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

12. 「ピーリング」等の表現

「ケミカルピーリング」等の表現は、「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」において、禁止されている12つ目の項目です。

前提として、公益社団法人日本皮膚科学会では、医療行為である「ケミカルピーリング」について、次のように紹介しています。

皮膚に化学薬品を塗り、皮膚を剥がすことによって起こりうる現象や効果を利用して行う治療のこと

従って、化粧品等の広告に対し、ケミカルピーリングと記載することを禁止しています。

ただし、「ピーリング」と表記する場合には、次のケースで記載可能です。

  • 洗浄・拭き取り行為などによる物理的効果によるものであることを明示した場合
  • 「ケミカルピーリング」とは異なる行為であること示す場合

表現の項目表現可能な例
下記を満たした「ピーリング」等の表現
・洗浄・拭き取り行為などによる物理的効果によるものであることを明示した場合
・「ケミカルピーリング」とは異なる行為であること示す場合
■ 左記の表現がないケース:
「お肌の表面の古い角質を洗い流してやさしくピーリング。汚れが落ち、スッキリする 」
「本品をコットンに適量とり、肌をそっとなでる。いらなくなった古い角質をピーリングできる。」

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

13. 「くすみ」等の表現

「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される10つ目の項目は、「くすみ」等の表現です。

メーキャップ効果に関すること以外の「くすみ」に関する表現は、化粧品の効果・効能の範囲を逸脱するかのような誤認を与えるため、禁止されています。

ただし、①くすみの要因を次のように明確にし、②化粧品の効果・効能の範囲を逸脱しない場合であれば、表記可能です。 

  1. 汚れの蓄積によるもの
  2. 乾燥によるもの
  3. 古い角質層によるもの 

表現可能な例表現不可な例
乾燥などにより、肌の明度が一時的に低下し暗く見える状態の表現
「乾燥によってくすんでみえる肌にうるおいを与え明るい印象へ導く」
「くすみのもとになる古い角質層による汚れを洗い流す」

メーキャップ効果による表現
「くすんだ肌を明るい肌へ仕上げるファンデーション」
「気になるくすみをメークでカバー」
メーキャップ効果に関すること以外のくすみに関する表現
「くすみを予防できるかのような表現」
「内的要因や肌色変化によるくすみ表現」 
「シミ・ソバカスを防ぐことによるくすみ表現」

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

14. 医師等のスタイルでの広告について

医師等のスタイルでの広告は、「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」において、禁止されている14つ目の項目です。

具体的には、白衣などを纏った医師等のスタイルで化粧品等の広告を行うことを禁止しています。

上記に関しては、医薬関係者であると誤認を与えないよう配慮することが重要です。

重ねて、医療関係者であることが事実であっても「医学博士」「M.D.」「博士」「Ph.D.」などの肩書きは併記しないことと義務付けられています。

該当の製品に携わった、実際の研究者が白衣などのスタイル行う広告に関しては、問題ありません。

ただし、その製品の製造販売業者等の従業員であることが判る説明を事実に基づき明記した場合に限るため、注意が必要です。

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

15. 「美白」等の表現

「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される15つ目の項目は、「美白」等の表現です。

化粧品の広告で目にする機会の多い、「美白」「ホワイトニング」等の表現は、化粧品の効果・効能の範囲を逸脱しているため、化粧品広告において、これらの文言の使用を禁止しています。

上記の表現を用いる場合は、承認を受けた効果・効能化粧品で定められた効果・効能の範囲内で表現することを徹底しましょう。

特に、継続して該当製品を使用することで、既に黒い肌の色が段々と白くなる旨を表記することは禁じられているため、注意しましょう。

重ねて、次のケース以外は、記載しないよう義務付けられています。

薬用化粧品(医薬部外品)における美白表現の範囲 

薬用化粧品・一般化粧品のメーキャップ効果に基づく美白表現の範囲

表現可能な例表現不可な例
■ メーキャップ効果により肌を白く見せる、またはしみを隠す旨の表現: 
「シミ、ソバカスをきれいに隠し、お肌を白くみせてくれる」
「お肌のシミを見えにくくカバーする」 
■ メーキャップ効果である旨が明確でなく、誤認を与える表現: 
「美白パウダーでシミ、ソバカスが消えてなくなる」
※メーキャップ効果の表現をこえて治療的な効能との誤認を与える場合

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

16. 化粧品における「薬用」の表現

化粧品における「薬用」の表現は、「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」において、禁止されている16つ目の項目です。

化粧品の広告において、次の項目に対し、「薬用」という文字を用いた表現は禁止されています。

  • 販売名または販売名の略称または愛称
  • 配合成分の名称
  • 用法用量
  • 効果・効能

薬用と用いることができる化粧品は、薬用化粧品と呼ばれ、「医薬部外品」に該当します。

ちなみに、医薬部外品とは、次の通りです。

医薬品に比べ、人体に対する作用が緩和なものを指し、吐き気をはじめとする不快感や口臭・体臭・あせも・ただれ等を防止するもの、脱毛の防止・育毛または除毛などの美容を目的としたもの

薬用化粧品の広告における訴求表現を詳しく知りたい方は、是非、XP法律事務所までご相談ください。

認められない表現の一例

「薬用◯◯洗顔料(一般化粧品の販売名に「薬用」の愛称)」 「薬用炭配合(配合成分の名称に「薬用」の文字) 」「薬用効果」

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

17. 毛髪の損傷等の補修表現

「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される17つ目の項目は、毛髪の損傷等の補修表現です。

こちらの項目は、シャンプーやリンスなどの頭髪用化粧品に対し、用いられる表現となります。

毛髪の損傷部位への物理的補修表現をする場合には、化粧品の効果・効能を逸脱しないよう、弁護士などの法律の専門家にアドバイスを仰ぐことも選択肢の一つとして検討してみてください。

ただし、その効果・効能は該当の毛髪用化粧品を使用している時に限定するものであることに加え、恒常的に補修が出来るなどと誤解を与えないよう配慮することが重要です。

毛髪の損傷等の補修表現を行う際には、次の定義や表現の範囲内で行うよう留意しましょう。

毛髪の損傷等の定義

毛髪の損傷等とは、物理的刺激あるいは化学的処理により、毛髪からその構成成分が損失し、 毛髪の表面や内部組織の物性変化や剥離、空隙などが発生して傷んだ状態のこと。

毛髪の補修の定義

毛髪の補修とは、損傷した毛髪に対し、化学反応や薬理作用を伴わない補修成分を表面に 被覆あるいは内部浸透させ、表面や内部の損傷部位の空隙の密着等により、物理的に損傷を補い繕うことを指す。これらは、前提として、治療的な回復のことではない。

表現可能な例表現不可な例
化粧品の定義の範囲内の毛髪の損傷等の物理的な補修表現(事実であるものに限る)

■ 一般的な補修表現:
「髪を補修して髪の質感をととのえる」
「傷んだ髪の毛先まで補修してなめらかにする」

■ 枝毛等の傷んだ髪の補修:
「枝毛・裂毛・パサつきなどの傷んだ髪を補修」
「枝毛をコートして補修」 

■ 髪の表面の補修表現:
「髪の表面の凸凹を補修し、自然で美しいつや髪を 」
「キューティクルをしっかり密着させてなめらかな状態に補修」
「補修成分がたんぱく繊維の隙間を埋めて補強し、キューティクルをコーティング補修 」
「◯◯成分が傷んだ髪の表面に吸着して、しなやかな状態に補修する」
 
■ 髪の内部の補修表現:
「◯◯成分が髪の内部まで浸透し、髪のダメージを補修する」
「傷んだ髪の芯まで補修する」 

■ 成分の特記表示の配合目的としての表現:「毛髪補修・保湿成分「◯◯」配合 」
「毛髪補修コート成分配合 」
「毛髪補修タンパク配合」 
化粧品の定義の範囲を逸脱した、毛髪の損傷等の治療的回復表現

■ 補修という用語を用いた不適切な表現
「毛髪補修成分が傷んだ髪を再生」
「傷んだ髪を補修して健康な髪の再生を促す」
「毛髪補修成分が髪の内部に浸透し、傷んだ髪が回復する」
「毛髪を補修し、バージンヘアが甦る」
「傷んだ髪を補修して本質から髪質改善」
「ダメージヘアを補修」※広告全体として治療的に回復する内容である場合

■ 補修という用語と類似した毛髪の損傷部分が治療的に回復するような表現:
「傷んだ髪を修復する 」
「傷んだ髪が回復する」
「健康な髪が甦る」

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

18. 「エイジングケア」の表現

「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される18つ目の項目は、「エイジングケア」の表現です。

特に、冬場の乾燥時期になると、注目されることの多い「エイジングケア」製品ですが、表記の仕方に配慮する必要があります。

人の肌の年齢に応じた化粧品等による手入れの一貫として、「エイジングケア」という表現を用いて広告を行なう場合は、①事実に基づき②次の定義や表現の範囲内で行うことで、化粧品等の定義を逸脱するような表現を行わないよう義務付けられています。

エイジングケアのガイドラインにおける定義

加齢によって変化している現在の肌状態に応じて、化粧品等に認められた効能・効果の範囲内で行う、年齢に応じた化粧品等によるお手入れ(ケア)のこと

表現可能な例表現不可な例
■ 年齢に応じた化粧品等の効果・効能の範囲内のお手入れ(ケア)のことを「エイジングケア」 と表記する表現
「年を重ねた肌にうるおいを与えるエイジングケア」
「年を重ねた貴方の肌に今必要なもの、それはすこやかな肌のためのうるおいエイジングケア」
「美しく齢を重ねるために大切なこと、それはうるおいに満ちた肌のエイジングケア」
「エイジングケア」を標ぼうしながら、若返り、老化防止、シワ・たるみの防止等の化粧品等 の効能効果の範囲を逸脱した「エイジングケア」を用いた表現

若返り効果に関する表現
「エイジングケアで若さは再び戻る」
「若々しい素肌がよみがえるエイジングケア 」
「小じわ・深いしわ、時間が戻るエイジングケア」
「老化を招く原因である活性酸素を取り除き、若々しい素肌へ導くエイジングケア」
「シワ、たるみが目立ち、老けてみられる方にオススメのエイジングケア」

加齢による老化防止効果に関する表現
「肌の老化を防ぐエイジングケア」
「アンチエイジングケア」
「エイジングケアで加齢に待った」
「肌の老化対策エイジングケアとして開発」
「エイジングケアの大自然のパワーが肌老化を解決」
「肌を『守り』『育む』老化対策のためのエイジングケア」

■ 加齢によるシワ・たるみの防止、改善に関する表現
「シワ専用美容液、シワを直す、シワを取り去るエイジングケア」
「皮膚の老化メカニズムに着目した、シワ対策のエイジングケア薬用美容液」「シワやたるみを防ぐエイジングケア」
「シワを改善するエイジングケア」
「〇〇エイジングケアは加齢によるお肌の衰えにやさしくダイレクトに働きかける」
「シワ専用エイジングケアナイトクリーム」
「エイジングケアで目覚めればシワ、タルミすっきり」
「シワの原因は真皮の劣化。真皮の劣化はエイジングケアで改善可能」
「エイジングケアで目もとのしみ・しわ:たるみに速やかに対処」
「肌細胞に直接働いてシミ、しわ、たるみにエイジングケア」

配合成分、作用機序の説明で老化防止を標ぼうした表現
「肌の老化と戦う抗酸化成分『〇〇』を配合」
「〇〇エイジングケア」 
「肌の老化防止に役立ち、特にコラーゲンの生成能力を高める〇〇成分によるエイジングケア」
「シワの生成原因となるたんぱく質の量をコントロールするエイジングケア有効成分〇〇」

肌質改善し、老化防止を標ぼうする表現
「エイジングケアで衰えに負けない肌をつくる」
「エイジングケアでシワを消し、シワのできにくい肌にする」
「素肌の力を若返らせて、肌の老化を防ぐエイジングケア」

「エイジングケア」を個別の具体的な効能・効果、または作用であるかの様に標ぼうした表現
「肌のハリ、エイジングケア、保湿のために」
「エイジングケア成分を配合」

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

19. テレビ、新聞、雑誌、WEB広告における説明文

消費者に対し、影響力の大きい、テレビ、新聞、雑誌、WEB広告における説明文について、「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」では、次のように規制が設けられています。

必要な説明の文字は、大きさ・フォント・配置・コントラスト・色・表示時間(動画)などに留意し、容易に読めるものであること

特に、テレビや新聞、雑誌などにおける化粧品の広告を行う全ての人が薬機法の対象となるため、化粧品などを製造販売している企業や販売を検討している方は、注意することが大切なポイントです。

なお、美白・浸透・配合成分の特記表現に必要な説明の文字の大きさ・配置については、次の記載をご覧ください。

テレビ広告について

広告する側から消費者に訴求したい内容の中で、一番小さい文字の大きさと同等、もしくは それ以上の文字の大きさとする。ただし、キャッチコピーのみの広告などに対し、十分に大きな文字のみの場合は、容易に読める文字の大きさまで小さくすることを可能とする。

新聞・雑誌広告について

消費者が見やすい場所(注釈をつけた文字の近傍)に配置する。

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

20.「使用体験談」の表現の範囲

「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される20つ目の項目は、「使用体験談」の表現の範囲です。

インフルエンサーなどを起用し、「私も使っています」などの文言を用いることは、客観的裏付けにならないだけでなく、医薬品等の効果・効能や安全性について誤解を与える恐れがあるため、注意しましょう。

化粧品広告における「使用体験談」を用いる際には、使用方法・使用感・香りのイメージなどの範囲かつ事実の範囲内で行う使用者の体験に基づく自発的な感想による表現であることにご留意ください。

表現可能な例表現不可な例
使用方法・使用感・香りのイメージなどの範囲であって、事実の範囲内で行う使用者の体験に基づく自発的な感想による表現
「使用方法が簡単なので不器用な私の味方」
「使いやすいので忙しい私にピッタリ、助かっている」
「しっとりした使い心地が私の好みに合っている」
「さっぱりとした感触が私にピッタリ」
「女性らしいライトフローラルの香りが好き」
■ 効果・効能または安全性についての使用経験または体験談の表現
「肌が明るくなったのでビックリした」※スキンケア化粧品
「目の下の小ジワにうれしい変化」

虚偽あるいは第三者の創作による表現
「眼の下の小ジワにうれしい変化」*あくまで個人の感想です。一定の効果を保証するものではありません。

■ 使用感等についての過度な表現
「キメが細かくなって、ちょっと嬉しくなるくらい効果が実感できた」
「こんなにハリがでるなんて」

■ 体験談を自己の都合のよいように編集・抜粋した表現

関係者に特に依頼した体験談であるのに、一般の利用者の体験談であるかのように表示している表現
「『乾燥が気にならなくなった』というような声が続々と届いています。」

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

21. メーキャップ効果等に関する記載

「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に記載される20つ目の項目は、メーキャップ効果等に関する表現についてです。

メーキャップ化粧品の色彩効果によるメーキャップ効果(覆う・隠す・見えにくくするなど)は、 事実の範囲内かつ化粧品の定義の範囲を逸脱しない場合において、化粧品の効果・効能の範囲に係わらず、表記できます。

また、基礎化粧品等における色彩効果以外の物理的なメーキャップ効果は、次の条件にすべて該当する場合に限り、広告可能です。

  • 化粧品の定義の範囲を逸脱しない
  • 客観的に事実である
  • 根拠データを保持している
  • 化粧品に広告の虚偽・誇大・誤認に該当しない

なお、色彩効果以外の物理的なメーキャップ効果の例については、次の図をご覧ください。

色彩効果以外の物理的なメーキャップ効果の例

「まぶたを糊のようなもので貼り合わせ、一時的に二重まぶたを形成する」「美容液の皮膜形成成分が乾燥過程で収縮し、容貌を変える」

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

22.「調査結果に基づく数値」の表現

「調査結果に基づく数値」の表現は、「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」において、禁止されている22つ目の項目です。

具体的には、「満足度93%」「愛用者の98%が満足」などと、調査結果に基づく数値を表記示することは、効果・効能または安全性が確実であるかのような誤解を与える恐れがあるため規制されています。

特に説明がないまま、満足度などを記載することで、実際の効果・効能と異なるにも関わらず、誤って手にとってしまう可能性もあるため、慎重になることが重要です。

ただし、効果・効能または安全性に対して誤認を与えることのない【使用方法・使用感・香りの嗜好性など】 に関して、客観的調査に基づき、調査の概要を明示することに加え、調査の結果が適正に引用されている場合、表記できます。

ここで留意すべき点は、「満足度93%」などの表現に対し、※と記載し、離れた場所や小さな文字で「使いやすさ」などと記載する行為についてです。

上記のような記載に関しては、効果・効能または安全性に対する満足度であると、消費者が誤認する恐れがあるため、注意しましょう。

ただし、「使いやすさの満足度93%」などの通り、効果・効能に関する満足感ではないことを明示することを徹底しましょう。

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

23.「実感」の文字を含む表現

「実感」の文字を含む表現は、「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」において、禁止されている23つ目の項目です。

化粧品広告で「実感」と表記する際には、キャッチコピーなどの強調表示を行わないよう規制されています。

化粧品広告において、効果・効能の保証的な「実感」表現に加え、安全性に関する「実感」表現は認められていないため、留意しましょう。

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

24. 化粧品における配合成分の特記表示

「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」に表記される24つ目の項目は、化粧品における配合成分の特記表示についてです。

化粧品における配合成分の特記表示を行う際には、次の項目に留意しましょう。

規制項目注意事項
1. 特記表示する成分は、配合目的を併記■ 次の成分は配合目的を省略可能: 「植物成分」「植物抽出液」「天然植物エキス」「海藻エキス」など
2. 配合目的は事実であり、化粧品の効能効果及び製剤技術に基づく表である「美肌成分」:有効成分との誤認を与える恐れがあり、化粧品の効能効果の範囲の表現として不適切
■ 「抗酸化・肌ストレス保護」:化粧品の効能の範囲を逸脱
3. 特記表示する成分名称は一般消費者に理解できるように記載 成分名称は一般的名称で記載し、略記表示は正式名称を付記:「保湿成分」「EGF」※対応する成分名称が不明
4. 記表示ができない成分名称に留意する■ 名称に「薬」の文字を含むなど、医薬品的な印象を与える成分は記載禁止:「「芍薬」⇒「シャクヤク」と記載」
5. 特記表示は配合している成分について表示可能特記表示は配合している成分について表示可能。ただし、配合成分中に含有される附随物質に まで認められたものではない。

日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドラインより

まとめ

さて、ここまで、粧工会「化粧品等の適正広告ガイドライン」における化粧品の広告表現について解説させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

第3章「化粧品等の適正広告ガイドライン表現編」で設けられた、24項目について、ご紹介させていただきました。

「化粧品等の適正広告ガイドライン」は、「医薬品医療機器等法」「医薬品等適正広告基準」に基づき、化粧品等の製品特性を考慮した上で、対象となる製品に対する規制及び遵守されるべき事項がより明確になるよう作成されたものです。

従って、薬機法をより正しく理解するためにも、欠かすことのできない資料の一つでもあります。

薬機法に違反した場合、行政処分・課徴金納付命令・刑事罰の対象になる可能性があるため、一人ひとりが薬機法について理解を深め、ルールを遵守するよう努めることが薬機法を遵守することにも繋がるのです。

弁護士をはじめとする法律の専門家にアドバイスを求めることで、不正確な情報の発信やトラブルを未然に防げるだけでなく、製品を使用する消費者の安全性を守ることにも貢献できます。

XP法律事務所では、化粧品等の適正広告ガイドラインに対するご質問や薬機法に関する訴求表現のアドバイスなど、”新しい時代の法律事務所を創造する”という使命を掲げ、ビジネス全般に渡り、クライアント単位でトータルソリューションを提供しています。

化粧品などを製造販売している企業様や販売を検討している方、化粧品の広告宣伝に携わる方など、化粧品広告規制に関する助言や審査、薬機法についてご不明点がある場合には、XP法律事務所までお気軽にご相談ください。

この記事は、2023年12月4日時点の情報です。

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